ドリウスは気配を感じて目を覚ました。
「私の契約者の布団に潜り込むとはね。」
アフストイに睨まれている。
「オレはライアスの契約者だが、アフストイの契約者じゃないしな。嫉妬?ねぇねぇ嫉妬?」
ドリウスはニヤニヤしながら答える。アフストイはドリウスの質問には答えず、ドリウスから視線を外すと、まだ眠っているライアスを見る。
「力をつけたら綺麗な悪魔になりそうだねぇ、ライアスちゃんは。」
アフストイはライアスを見つめながらつぶやく。
「見目の良さはそれだけで悪魔の力を表してるから…元々魔力の器が大きいのかもねぇ。」
アフストイはライアスから視線を外すと、ドリウスを見る。
「予想通りといえばそうなんだけどね。やっぱりドリウス君のほうが早く目が覚めたねぇ。」
ドリウスは無言でニヤニヤしている。
「ただの下級悪魔じゃなかったってことかなぁ。」
ドリウスは答えない。
「ま、いいけどね。私の契約者には手出ししないようにね。色んな意味で。」
「契約したのはこっちが先なんだけど。」
ニヤニヤしながらドリウスが答える。
アフストイは不機嫌そうな顔をしたが、無言で消えた。
「厄介な奴かもな…。」
ドリウスはライアスの寝顔を見つめる。
悪魔には似つかわしくない無邪気な寝顔だった。