スノーを学習室へ連れて行った後、ドリウスは部屋に戻ってきた。

「なんか…魔力の残り香みたいなのがあるんだよな…。」

ライアスとアフストイが混ざったような魔力を放つのは眠っているライアス。
七罪の嫉妬になったのだから、当然だろう。

「すごく弱い魔力なんだが。」

そういえば、食事をする前。
時折、ライアスがうなされていた気がするが、戻ってきてからは静かに眠り続けている。

「ちっ…。どのみち、一人は見張りが必要か。」

ドリウスはライアスの周りに結界を作る。
ドリウスと同等の悪魔なら、ライアスに近づけない結界だ。
しかし、人間や天使はどスルーしてしまうので改良が必要ではあるのだが。

ライアスを見つめるドリウスの顔は、いつものニヤニヤした顔ではなく、不安そうな様子だ。

「このまま永眠なんて勘弁してくれ。オレはオマエに賭けてんだ。」

不安そうな表情を変えないまま、ドリウスは独り言を漏らした。