アフストイは考え事をして眠れない夜を過ごしていた。
他の4つのベッドからはそれぞれの寝息が聞こえてくる。

ライアスと血の契約をしてから、だいぶ長い時間が経ったように思える。

最初はライアスとドリウスに対して興味本位でついていった。

下級悪魔の中で有名な怠け者のライアスと変態のドリウス。
ドリウスの変態らしき箇所は結局のところ、まだ見たことがないが。
ライアスはあまりにも自由で、どんどん目が離せなくなっていって、心が惹かれていくのがわかった。
あの怠け者の悪魔にカリスマがあったということだろうか?
いずれにしても、まるで人間のようだと自嘲する。

ドリウスもドリウスで興味深い悪魔だった。
上級悪魔に近づくにつれて、アフストイの魔法の流用・転用ができるようになっていく。

傲慢の屋敷にいる間に、ライアスが一人でふらっと散歩して人間界に行ってしまった後。
一晩で帰ってこなかったライアス。
あの時ほどライアスの身を案じたことはなかった。

アフストイの目の届かないところでちゃっかり強欲と血の契約をしてきたことは、悪魔として成長した証でもあるのだが。
アフストイは少し寂しかった。
ライアスが強く、強く、高みへとのぼりつめるのを、そばで見ていたかった。

しかし、魔界に帰ってきたライアスは、悪魔狩りの少年を連れてきた。
後から話を聞く限りでは、だいぶ仲良く過ごしてきたらしい。

そのときから、イブナクが気に入らなかった。
イブナクは隠しているつもりだろうけれども、ライアスに好意を持っているのは一目見ただけでわかった。
アフストイはイブナクに嫉妬した。

だいぶ長いこと溜め込んできたけど、そろそろはっきりさせてくれてもいいんじゃない?
ねぇ?ライアスちゃん。