子悪魔ライアス★下克上～Der Traum des Teufels～

「えーなにそれ。あほらし。」
ライアスが結婚の概念を一刀両断する。
「悪魔は勝手気ままで自由だから悪魔なわけで。」
珍しくライアスが(悪魔的に)まともなことを言った。

「そもそも、悪魔には家族って概念がない。」
ドリウスが人間側に補足する。
「生まれたら10分で放逐されるのが悪魔なわけで。」
「へぇ、人間と悪魔は生態系から違うのね。」
スノーは元は人間として生まれたので、悪魔の生態系に少々驚いたようだ。
「その10分の間に人間の子供の10歳くらいの外見まで育つ。言葉も理解する。ちょっとだけなら魔力も使える。」

「ふむ、余は少々人間界に長くいすぎたようだ。ほとんどの幼女に将来の夢を聞くと【お嫁さん】って答えるからな。」
「誰が幼女だ誰がっ!」
ライアスは自分のことを言われたのかと思い、不機嫌そうな顔をする。

「イブナク、押し倒せ、そこから始まる恋もある。」
「いくら陛下の命令でもそれはできません、人道から外れます。」
「あらあなたくらい真面目ないい子なら私はいいわよ。大酒飲みにもならなさそうだし。」
「いや、スノー殿ではなくライアスをだな…、」
「なんで押し倒されなきゃいけないんだ、押し倒されるとしたらそりゃ負けた時だけだ!そこから恋とか話が全く見えねぇ!」
「ライアスちゃん、話は見るものではなくて聞くものだよ。」
ドリウスはこのバカな会話をニヤニヤしながら眺めているだけだった。