子悪魔ライアス★下克上~Der Traum des Teufels~

「結婚っていうのは…紙切れ一枚の契約のことね。」
答えたのはスノーだった。
「その紙切れ一枚で人生を棒に振った挙句悪魔堕ち。結婚は恐いわよ。」
悪魔のような笑顔でスノーが言う。

「スノーさん、それは誤解を生む表現のような…。」
イブナクがつっこむ。
「じゃぁ坊やに説明できる?」
スノーにからかわれたが、人間界での一般論をぼそぼそと話すイブナク。

「結婚…は、一般的には愛しあう男女…あ、例外としてこの国では男同士でも女同士でも認められてるけど…が、契約の紙切れが存在する限り共に生きていくってことで。」
「愛ってなんだ?」
「オレもわかんね。」
えっ?!そこから?!イブナクは驚愕した。

「俺がダークから聞いた結婚ってやつは、財産の相続権を得るとか、相手から合法的に金を毟り取る手段とか言ってたような。」
ライアスがダークからの受け売りの知識を言う。
「愛とは難しいな!」
ドリウスが難解そうな顔をしながら髪の毛をいじっている。

「僕、愛とか…まだよくわからないし。」
イブナクは、激しく間違っている気がするのだが、あながち間違っていないだけに、説明に困っている。

「悪魔風に言うと、性欲を満たしたい相手を一人だけ決めてその相手以外とは性欲を満たす行為をしないこと、になるかな~。」
アフストイが悪魔風に翻訳してくれたようだ。

「そうね、そういうこともするわね。」
人間界の結婚の概念を説明するにはスノーのほうが適役のようだ。