「うわっ!」
「いてぇ!」
「ぐはっ…。」
「おぅふ!」
アフストイが人間界に転移したのはいいものの、想定外の場所に転移してしまったらしい。
空中から数人が落ちた。重力は偉大である。

「ここって。」
華麗に着地したイブナク。
イブナクとライアスとドリウスにとっては見覚えがある風景だった。
「アーヤの城の中庭!」
ライアスが思い出したらしく、場所を特定する。

運悪く池に落ちたアフストイ。
ずるずるとした長い服は水を吸って重い。

「どういういきさつかはわからんが、余に用事があるようだな?」
偉そうな少女の声が聞こえる。
「アーヤ陛下!」
跪く勇者志願者たち。

「ああ、オマエに用事だよアーヤ。」
ライアスは気軽にタメ口でアーヤに話しかける。

「アーヤ様、私もアーヤ様に用事が。」

ライアスにとっては懐かしい声が聞こえた。

「ダーク!?」

ライアスは硬直して動けなくなっている。
ダークのほうはライアスがいることを把握してはいるのだが、気にも留めない。

「話は1組ずつ聞くとしようか。余はショウトクタイシではないのでな。」
アーヤは偉そうに言い…実際この人間界で一番偉いのだろうけれども…紅茶を飲みながら、ダークを指名した。