「とりあえず、城戻らない?」
アフストイの提案で、他4人は城に戻る…スノーは城に行くのは初めてらしく、城に行くと表現すべきだろうか。
とにかく5人は城へ転移することにした。

転移したのは城の調理場で、相変わらずノアが料理を作ってはもさもさと食べている。

「当代の憤怒の君は貴殿か。オレはノアという。」
ノアはスノーを見ると、一応礼儀正しい部類の挨拶をした。

「憤怒のスノー。元人間の悪魔よ。」
スノーは素っ気なく自己紹介をする。

「おまえら、ここを溜まり場にするんじゃない。アフストイの屋敷もあるだろう。」
ノアは面倒くさそうな視線を5人に向ける。
「ノアは城に思い入れでもあるのか?」
ライアスが無遠慮にノアに訊ねる。
「特に無いが、おまえらの分の料理まで用意しなきゃいけないのが面倒だ。オレが食う分が減る。」
普段からもさもさと何かを食べているノアらしい言葉だった。

「そういえばだいぶアフストイの屋敷は留守にしてるよな。」
ライアスがアフストイと血の契約をしてから、もうだいぶ日が経っている。
「使用人とかいないんだから一回戻ったほうがいいんじゃないのか?」
更にライアスがアフストイに言う。
「確かに使用人とかいないのよねぇ…。」
アフストイがため息をつく。

「とりま、一回戻りますか。」
アフストイはそう言うと、二度目の転移でアフストイの屋敷に戻ることにした。