世話焼き上級悪魔のノアのおかげで食料はほぼ準備できた。

「じゃ、お腹いっぱいになったし、北へ行こうか。」
「OK!魔力も体力も充実してるよっ!」
ドリウスが仕切り、アフストイが転移の術式を数秒で完成させる。

それを見送ったノア。
「奴らの成長の速さは異常だな。もしかしたら本当に魔界の頂点へ上り詰めるかもしれない。」
独り言をつぶやくと、今度はケーキづくりを始める。

ケーキは、ノアにとって、思い入れのある食べ物だった。



「うっわ、寒い…。」
北に転移してきた途端、ライアスが吐いたセリフがこれである。
「悪魔狩りの防寒服なら一応4着あるけど。」
「着てもぴりぴりとかしないよな?」
「天界の加護を受けているのは表面だけだからね。むしろ防具に限っては今後戦ううえで役に立つかも。」
イブナクは自分自身が防寒着を着用し、ドリウスとライアスとアフストイに渡す。

「普通の防寒着みたいなもんだね…。」
「あまり表面をべたべた触ると手がぴりぴりするけど触らなけりゃ問題ないな。」
アフストイとドリウスの感想だ。

「さて…七罪を探すとするか!」
ライアスの号令と共に、ライアス・イブナクとドリウスとアフストイが3方向に散る。
ライアスが念話を使えるようになった今、4人で固まって行動するのは効率が悪いように思えた。

しかし、相手は七罪。
簡単に離れてはいけなかったのである。