イブナクとダークが空中と地上で戦っている時。

イブナクはダークの背後に近づく何かに気がついたが、ダークから視線は逸らさなかった。

グシャッ

ダークは突然の鈍い音と痛みを感じた。

「翼げーーーーっと!」
ライアスがダークの6枚の翼のうちの1枚を斧で斬りつけ、奪ったのだ。

「これで下僕はおあいこだな、ダーク!」

ライアスはまるで天使のように微笑んだ。
ライアスのとった行動と、表情にあまりにも差がありすぎて、イブナクは当惑する。

片方に3枚ずつあった翼を1枚斬り落とされて、ダークは空中でのバランスを取れなくなった。
翼を斬られた背中から血を撒き散らしながら無様に地面へと落下する。

「俺の尻尾を返してくれたら、この翼を返してもいいぞ。」

ライアスは白と黒の両翼を羽ばたかせダークを見下ろす。

「私が死ぬまで、返せない。」

ダークの意志は強固だった。
「意地張るなら張ってろ。たった今からダークは俺の下僕だ。ちょっと前から、俺もダークの下僕だ。下僕同士仲良くしようぜ。」
先ほどの天使のような微笑は消え失せ、昏く嗤うライアス。

ダークにはもう話が無いとばかりに、ライアスは空中へ舞い上がる。