「いきなり天使がいてびっくりしたけど…問題はサキマ殿だよね…。」
アフストイがそもそも何故ここに転移してきたのかの理由に戻る。
「あれは早めに潰さないとガチやべぇ。」
ドリウスが同意する。
「多分アーヤとサキマは手を組んでる。」

「あ、そういえば…。」
イブナクは天界の加護を受けた武器が大量に収納されている倉庫を見たことについて話した。
「それはわたしも見たよ。」
アフストイもイブナクと同じような倉庫を見たと言う。
「しかし、傲慢のサキマを怒らせるなんて、オマエ何やったんだよ。」
ドリウスがアフストイに問い詰める。
「契約を求められたんだけど、気が向かなかったから断ったのよ。」
「そういやアフストイは女専門だったな。サキマは男だったのか。」
ライアスがくすくすと笑う。
「今はライアスちゃんだけだってば!」
アフストイが拗ねているがライアスは全く気にしていない。気にしてもらえないアフストイは余計拗ねて不機嫌になるが、それは今後の対策を考えない理由にはならなかった。
「こっちも悪魔狩りをフル活用するしかないかねぇ…。」
言いながら、アフストイはイブナクを見る。
「それが依頼なら僕は断らないけど。契約とかそっちの話で不都合が出ないなら。」
「オレとライアスも使える魔法の幅が広がったから、いけちゃうかもな。」

ドリウスが珍しく前向きな発言をした。

「ちょっとだけここで準備をしよう。イブナク、なんか天界のカード、効果はなんでもいいから持ってないか?」
ライアスに言われたので、イブナクがカードを出す。
「あ、ヤケドするかもしれないよ?」
イブナクは心配そうな顔をしているが、ライアスは自身の体を全く心配している様子がなかった。
「舐めときゃ治る。」
ライアスはイブナクに渡されたカードをしげしげと眺める。
「なるほど。魔法の詠唱がいらないんだな、この模様は。」
カードに描かれた模様を見てライアスが術式を解析する。

「使いそうな魔法は全部カードに術式を書いて、短い時間で詠唱できるように準備するか。」

ライアスの提案で、城のあちらこちらから紙屑が集められ、悪魔3人はカードの作成に没頭し、イブナクは呪文を唱えて、発動するかの確認をしていった。

失敗もしたが、5日くらい経過した頃にはほとんどのカードができあがっていた。