「あなたがリーダーのようですわね。」
イヴファルトはライアスに声をかける。
「そんなめんどうなもんはやってねぇ。」
態度が悪いように見えるがライアスはいつでもどこでもこんな感じだ。
「七罪のかたがたの場所を教えていただきたいのですけれど。」
「そんなもん俺が聞きたいわ。」
ライアスはまともに答えるつもりはないらしい。
「天界の属州にされたり、天界の管轄下に置かれるなんて俺はごめんだぜ。知ってても教えてやるもんか。」
「ライアスちゃん、また喧嘩になっちゃうよ。」
アフストイがライアスをなだめる。
「わかっている範囲では、この城の裏の立派な屋敷に色欲のユーギット殿が。陰鬱の森の屋敷に傲慢のサキマ殿がいて、人間界で王様やってるのが強欲のアーヤ殿。嫉妬はわたし。憤怒と暴食と怠惰は不明。」
アフストイが知ってる範囲だけ答えるが、それでもまだ七罪のうちの3人は行方がわかっていない。

「ありがとうございました。」
イヴファルトは淑女の礼をする。
「アフストイ様、気が向いたら真名の契約をお願い致しますわ。」
イヴファルトはそう言って真っ白い翼を広げ、城の裏手まで飛んでいった。