午前9時。
姫梨に伝えた集合時間の1時間前。

既に姫梨以外のメンバーは教室に集まっていた。姫梨にバレないよう、今日の予定を再確認するために。
絶対に成功させるんだと、念には念を入れ、張り切ってた。


最終確認を終えると、友達2人は教室を出ていった。教室には俺と、姫梨の親友の友香だけになった。俺の次に張り切ってたのは友香だろうな。

勉強する準備をしていると、友香が口を開いた。


「サプライズ、成功したらいいね。」

「だな。」

「姫梨、絶対泣くよね!」

「ははっ。泣き虫だからなー。」


姫梨の反応を想像して、2人で笑った。


「ほんと、姫梨のこと好きだね〜!!」

「好きじゃねえよ。」

「…え?何言ってんの、翔。」

「好き、とかそんなんじゃなくて…。」



好きよりも、もっと大きくて重い――…