「……姫梨?」


やっと来た!
あんまり待たせないでよね〜。

なんて、デートした時はお前の方が遅かっただろ!!的なことを思いながら振り返ると―……


『えっ!?』


そこにいたのは、月夜ではなかった。


『翔ちゃん!?どうして翔ちゃんがここにいるの?』


翔ちゃんの声を、月夜の声だと聞き間違えてしまうなんて、人間の思い込みって、すごいね…。


「月夜に屋上に来いって言われたんだけど…。」

『翔ちゃんも?私も、月夜に呼び出されたの。』

「あいつ、何考えてんだ?」


翔ちゃんと昔何があったのか、月夜には話したから、私が翔ちゃんにあまり会いたくないのは、わかってるはず。

なのに、こうやって会わせようとしたってことは……、


『「仲直り…?」』


翔ちゃんも同じことを考えてたみたい。

親友だから、わかったのかな?
親友だから、仲直りしてほしかったのかな?