「あの時も言ったけど、幸せになれよ。…なっ!月夜♪」
『へっ!?月夜いるの!?』
「…いつから気付いてたんだよ?」
「お前がそのドアのとこに来た時からかな。」
俺があの日の真意をちょうど話し終えた頃、屋上の扉のすりガラスに人影がうつった。直感的にそれが月夜だとわかったんだ。
さっきの「より戻す?」ってのは、ちょっとしたイタズラ。月夜の体が一瞬動いたのが可笑しくて、笑いをこらえるに必死だったけど。
『え?ど、どどどうゆうこと!?』
「姫梨テンパりすぎ。俺と月夜の友情がそれだけすげーってことだよ!」
「…バッカじゃねーの。」
『そうなんだ♪月夜と翔ちゃんは親友だもんねっ!』
「……さすが姫梨!」
「やっぱこいつ天然なんだな…。」
「月夜、これから大変だと思うけど、頑張れよ…。」
ポンッと月夜の肩に手を置くと、月夜は「おう。」と言った。
笑いあっている俺らを見て、姫梨は首を傾げている。

