話し終わると、というか、話の途中から、やっぱり姫梨は泣き出した。…お前は変わってないんだな。
『なんで…言ってくれなかったの?』
「言っても、きっとあの時の姫梨は、俺の言葉を信じられないだろうと思ったから。」
『信じたかもしれないよ?』
そうかもしれないな。…俺が、姫梨を信じられなかったんだ。
『あの時、もし翔ちゃんが本当のことを言ってたら…今も続いてたのかな?』
「なら、より戻すか?」
『えっ!?』
冗談っぽく笑って言ってみたけど、もしここで姫梨がYesと言っていたら、本当により戻してたかもな。
『…ごめん。私、今は月夜が好きだから。っていうか…付き合ってるの。』
「まじで!?」
恥ずかしそうにうつむいてうなずいた君は、すごく幸せそうだった。こんな表情の姫梨を見るのは、いつぶりだろう…。
これでもう安心だな。月夜なら、絶対に姫梨を幸せにしてくれる。
俺も、新しい恋を始められるのかな?
姫梨よりいい女がいるのかは、疑問だけど。

