俺の姫様 Ⅱ



話し終わると、というか、話の途中から、やっぱり姫梨は泣き出した。…お前は変わってないんだな。


『なんで…言ってくれなかったの?』

「言っても、きっとあの時の姫梨は、俺の言葉を信じられないだろうと思ったから。」

『信じたかもしれないよ?』


そうかもしれないな。…俺が、姫梨を信じられなかったんだ。


『あの時、もし翔ちゃんが本当のことを言ってたら…今も続いてたのかな?』

「なら、より戻すか?」

『えっ!?』


冗談っぽく笑って言ってみたけど、もしここで姫梨がYesと言っていたら、本当により戻してたかもな。


『…ごめん。私、今は月夜が好きだから。っていうか…付き合ってるの。』

「まじで!?」


恥ずかしそうにうつむいてうなずいた君は、すごく幸せそうだった。こんな表情の姫梨を見るのは、いつぶりだろう…。


これでもう安心だな。月夜なら、絶対に姫梨を幸せにしてくれる。

俺も、新しい恋を始められるのかな?
姫梨よりいい女がいるのかは、疑問だけど。