「……別れよっか。ごめんな、辛い思いさせて。…幸せになれよ。」
微笑んで、その場をあとにした。…つもり。俺、ちゃんと笑えてたかな?
角を曲がるときにふと見てみたら、姫梨は泣いていた。
駆け寄って抱き締めたかったけど、そんなことを俺がしていいわけなくて…壁を思いっきり殴った。
すごく痛くて、涙が出た。
この痛みは拳の痛みじゃなくて、心の痛み。
きっと姫梨の痛みに比べたら、小さな痛み。
その後の中学生活で、姫梨と関わることはほぼ無かった。
早く忘れたくて、避けていたのはむしろ俺の方だけど。
高校に入ってからは、髪を染めて、ピアスして、女遊びばっかしてる。
…ってのが、俺ら2人の未来が続かなかった、神様のいたずらの真相。

