「あーあ、もういいや、覚えてないならー。」
半ば投げやりに言った彼は私を見るなり、大袈裟に溜め息を吐いて肩を竦めた。
なーんか、苛つくんすけどー?
流石に殴ってやろうかと思い始めた私に彼は続けて言った。
「夏樹。」
なつ、き......?
私は意味が分からず首をかしげた。
はてさて?夏樹とな?
そんな私に彼はまたバカにしたような溜め息を吐いた。
「名前だよ。なーまーえ!そっちから聞いてきたんだから忘れんなよ。」
そこまできて、やっと私はピンときた。
おー!そゆことそゆことー。
仏頂面なくせに聞いた事はちゃんと答えてくれるってそんなのツンデレやん?
「ツンデレおいしいっす。でへっ。」
イケメン+ツンデレとかマジおいしすぎるんですけど!
いやー。ここの高校はレベルが高いね!
ほんと参っちゃうよ!
私は興奮しすぎて、目の前の二人がドン引きしていることに全く気付けないでいた。


