それからすぐに男は正常になった。 言うとすれば、殺気をしまったっていう事だ。 しまったっていうのは可笑しいかもしれないが。 だけど、俺は男から目を離せないでいた。 まだ、動けないとかそういうのではなくて、 自分の意思で。 俺の頭の中は疑問府でいっぱいだった。 あいつは何者だ、と。 それでずっとそいつから目を離せなかった。 だからかもしれない、 ずっと夏樹を見つめていたあいつの目が酷く悲しみの色を纏ったように見えたのは。