ピンポーン…
あれから1時間。
時計の針が10を指した頃、チャイムが鳴った。
「敦!?」
すぐにソファーから飛び降り、玄関に向かった。
不安でどうしようもないこの気持ち。
敦の顔を見ればすっきりする。
私の考えすぎだって、そう思うことができる。
はやる気持ちを抑え、ドアを開いた。
「…ただいま。」
初めて見た。
ピンクに頬を染め、虚ろな眼差しの敦。
……酔ってる。
「お、おかえりっ」
「…うん。」
私をチラっと見て、リビングへ入っていく敦。
「え………」
その時に気がついてしまった。
気付きたくない、その事実。
モヤモヤの正体を。

