私は忘れたよ‥

家に帰ると芯壱の姉が来ていた。

今日は診察の日だっけ?と玄関に掛かっているカレンダーを覗いた。

「お帰りなさい、なっちゃん」
声を弾ませながら義姉は夏を抱き上げた。

「ごめんなさいね、忙しい時間にお邪魔しちゃって…」
腰を低く、申し訳なさげに目を細めてそう言ってきたがただの建て前だろう。

「そんな全然。お義姉さんならいつでも大歓迎ですよ」
パソコンや書類の入った仕事用の大きなバッグとスーパーの袋をニコニコ笑いながらキッチンに運んだ。



本当は迷惑だ。

仕事で疲れて帰ってきているし、この時間は戦争なのだ。

だけど平日動けない私の代わりに芯壱を病院に連れて行ってくれているので、そんな風に思ってはいけないと自分に言い聞かせた。