私は忘れたよ‥

だけど私はいつも京吾に恋をしていた。

京吾とよく似た声がテレビから聞こえると、何をしてても手が止まって、心臓がどきどきと鳴った。

京吾の代わりに他の事務所から移られてきた所長は、京吾とは風貌も仕事のやり方も何もかもが違ったが、デスクを見るといつも京吾を思い出していた。

もう二度と逢えない人だとしても、京吾を想いながら生きていたい。

長い年月の間にこの気持ちがやがて形を変えて、恋や愛じゃなくなっても京吾をずっと好きなままなんだろう。

たったの一年で逢えるとは夢にも思っていない頃の私はそう思っていた。