私は忘れたよ‥

京吾が居なくなってしばらくは、失恋した青春時代のように、寝ても覚めても悲しかったが、京吾が居た頃よりも仕事にも家事にも集中することができた。


仕事も速く終えて、早く夏を迎えにいける事も、嬉しかった。

私は母親なのだ、妻なのだと誇りを持っていてとても平和だった。


まるで仕事がひとつ減ったみたいだった。

心にぽっかりと開いた穴の分、身軽にさえ感じた。