私は忘れたよ‥

ん?と言いながら見えにくそうに目配せをさせて、自分のデスクの近くに私を招いた。


デスクの側に立っている私に腕をのばしてから
「おお結構目立つね。
君は色が白いから…」
と、キスマークの上を京吾の指になぞられる。


体の一部が帰ってきたような不思議な感覚がした…


「だめでしょ?こんなことしちゃあ」
と子どもを叱るみたいな口調になってしまった。
年上の人に対してこんな口調で話したことを一瞬気にしたが、京吾は気にしてなさそうだった。

むしろ私が怒りながら話していること事態を気にしていない。

「俺の印だな」

満足感でたっぷりの顔をしてこちらを見た。

「はあ?」
呆れすぎた結果、ため息と入り交じった声が出た。


「俺の印が付いてるみたいだ」


…この男は何を言っているんだろう…

「わざとなの?旦那に喧嘩売ってるつもり?」

笑いながら
「なに怒ってるの?」
と言ったけどやっと私が怒っていることに気づいてから
「違うか…かばってんのか?」
と言った。

深いため息が出た。


京吾が若く見える。