私は忘れたよ‥

目が覚めると芯壱はベッドに居なかった。


夏を起こして髪を結んであげていると洗面所の少し開かれた扉から芯壱の目だけが見えた。


歯を磨きながら私たちを見ていた。


「…おはよう」
と独り言になった。

洗面台で磨いてほしいな
と思ってしまう事がとても欲深く感じた。