私は忘れたよ‥

「…とにかく俺にだって考えさせてくれ…こんなのってないだろう?」

京吾の顔をまともに見れなくてしばらく伸ばした足の先に集中してた。

だって京吾は泣いていたから…

泣いている男なんて情けないと感じるはずだった。


だけど京吾に対しては違う。

どれほどに私を想ってくれているのか愛の深さを感じた。

「京吾…」

「…ん?」

「…今までありがとう、本当幸せだった…」
そう言って逃げるように立ち去った。
告白したあの夜と同じだ…
同じように逃げ出してる…

ごめんね京吾…
私は恐いんだ…いつまでもこんなこと続かないって予感してから恐いんだ。

いつか京吾の奥さんに知られたり、芯壱に知られたりしてから別れることはきっともっと辛い。

あんなに大切な人よりもこんな崩壊しかけの家族を守っているんだろうか…
京吾の家族を守っているんだろうか…
いつかの自分自身を守っているんだろうか…
とにかく今日は頭痛がして頭の中に色々な知らなかったことがくるくると廻って私に教えてくれた。