私は忘れたよ‥

私は人形みたいに放心したままだった。

京吾の手が視界に入っていて早くそっちの世界に戻りたいと思った。


「タカコサンスミマセンデシタ」
人形が話した。

貴子さんはいいから、これからもよろしくと言った。

上司は問題を解決させた。

京吾は貴子さんだけを仕事に戻して、私を会議室に残した。


「俺は間違ってるのか?」と寂しく言った。


その瞬間、京吾は私の立場を守るために貴子さんを立てたということが理解できた。

「ありがと…」

「本当にごめん…」

涙が頬を伝った。

貴子さんみたいだ。

上司の前で泣くなんて。
京吾は椅子に座る私の目の高さで腰を下ろした。
子どもみたいだ。

夏の話を聞くときにいつも私がやる姿勢だ。

「今日の飲み会何時まで残れるんだ?」

「なんで?」


「時間がほしい」

甘い甘い声だった。