『朝、三上くんが言っていた隣の女子校の美人さんについて、美人さんと同じ学校に通っている友達にさっき聞いてみたの。名前と学年、それから・・・。ま、いろいろ知れたわけ!詳しくは授業終ったら話すね!追伸:英語の授業で寝んなよ!』


竹田の、女の子らしい丁寧な字で書かれていた。
追伸というのが気になるのだがまぁ置いといて。


道理で、竹田は日中ずっと携帯をいじっていたわけだ。
しかし、隣の女子校の美人という情報だけでよくそこまでの個人情報がわかった事が謎だ。
人違いかもしれない。
しかし竹田の文章から、絶対な自信が見える。

さすが女子高生というものなのだろうか。
ネットワークの広さに頼りがいと一抹の恐怖を感じる。

きっと僕が学校でおかしなことをしたらすぐに色んな人に情報が流れてしまうんだ・・・

それよりも、なによりも、
「彼女」について知りたい。

人間は、早く終わって欲しいと思うほど時計をちらちら気にしてしまう
楽しい時と違って秒針が進むのが遅く感じる。

睡魔なんてどこかに飛んでいってしまった。

「―文型について。Sは主語、Vは動詞と見ると・・・」


授業をほとんど聞かないまま、竹田からの情報に期待しながら僕は授業が終わるのをひたすらに待っていた。