「――つまり、動詞は自動詞と他動詞に分けられ、他動詞は目的語が・・・」

英語の時間、僕の睡魔が1日の中で一番強くなる時間だ。
淡々と、ゆっくりしゃべる口調、低めのトーン、楽しくもなんともない授業、先生の全てが憎らしい。

その上、今は5時間目。
腹の皮がはると、目の皮がたるむとはよく言ったものだ。

―今日ぐらい、寝ていいかな

意識を手放そうと思った矢先、
僕は視界の端に動くものをとらえた。

視線をそちらにむけると、隣の席の竹田が僕の机になにか文字を書いた紙を置いたらしい。

竹田の方を向いて意図を目線で尋ねる。
すると竹田は、指先てトントンと紙を指差し声を出さずに口を動かす。

ーよ・ん・で

・・・つまり紙を読めと言うことか。
僕は紙を手にとり中身を読み始める