「お姉ちゃん、」 私がそう声をかけると、ピタリと2人の話し声は止んだ。 「「里菜」」 2人の声が重なる。 その一人は、目を丸くした後、睨むようにして私を見た。 ―――...それは、私のお母さんだった。 「じゃあ、私帰るわね。憂菜(ユナ)、また来るからね」 「分かった、またね。お母さん」 お母さんはスタスタと病室を出て行ってしまった。