夏休みが終わり、まだ暑さが残る9月上旬のある日。


その日の朝は、転校生が来るという噂で教室中が盛り上がっていた。


こんな暑いのに、よく騒いでいられるなー、なんて一人心の中で苦笑いする私。


私は、その転校生がどんな子なのかとか、友達になりたいとか、そんな期待、これっぽっちも持ってはいない。


だから、特に話なんてせず、頬杖をついて、ただぼんやりと窓の外を見つめていた。