「だか、あの日、お前が教えてくれたひとことで、わしは、元気が出たんじゃ」
「一目惚れのことですね」
「そうじゃ、わしは、心底、嬉しかった。ばあさまは、わしと仕方なく結婚したとばかり思うとったし、わしを全力で支えてくれとったのも、会社のため、父親のためとばかりと思うとった。だから本当に嬉しかった」
健蔵は、今度は、一気に冷めたお茶を飲み干した。
「一目惚れのことですね」
「そうじゃ、わしは、心底、嬉しかった。ばあさまは、わしと仕方なく結婚したとばかり思うとったし、わしを全力で支えてくれとったのも、会社のため、父親のためとばかりと思うとった。だから本当に嬉しかった」
健蔵は、今度は、一気に冷めたお茶を飲み干した。


