黒木健蔵の冒険

「わしは、大学を出て、今の会社に入り、そして、先代の社長に見初められて、ばあさまと一緒になった。それから40年以上、柚木華製薬に命を捧げて生きて来たんじゃ。入り婿という立場もあったけ~そりやぁ、24時間、息つく暇もなかった。その中で、ばあさまは、わしのことを全力で支えてくれとったんじゃ」


そう言うと、健蔵は、遠い目をして窓の外を見た。