黒木健蔵の冒険

「さぁ、話していただきましょう」


黒木家の応接室で、部屋に入るなり、里奈が険しい声で話を切り出した。


「やれやれ、その口調といい、眉ねにシワを寄せた、その顔は、ばあさま、そっくりだな」



「話をはぐらかさないで、正直にお答え下さい。こんなことが、お父様や叔父様たちに知れたら大変なことになっていましたのよ」


「わかっておる。だから、お前にだけ、本当のことを言おうと思うとる」


そう言うと、健蔵は、お茶を一口飲んだ。