人の目なんて気にしない。

大勢の人たちがいる前で、私たちはキスをした。

それはとても軽く、一瞬だけの短いフレンチキス。





「行ってきます」




最後に、私の頭をポンポンと撫でてから純は私に背を向けて、静かに歩き始めた。


エスカレーターに乗った純は、私に背を向けたまま、ピースサインを出していた。




"行ってきます"。



その言葉は、お別れではなく、また次に会う約束。