「…そうだぞ」
二階から降りてきたお父さんが話に混ざる。
「離婚したい一心なら、俺はなんも言わない。だけど、詩織のこと考えろ。詩織のこと思ったら、離婚なんてできない」
大好きなお父さん。
大好きなお母さん。
私は2人が好きなのに。
伝わってないのかな…?
「正直、俺も離婚なんてしたくない。ずっと一緒にいたい。だからもう一度だけ、俺と過ごすチャンスを下さい」
お父さん…。
お父さんは、すごいよ。
「…ごめんなさい…ごめんなさい…私…どうかしてた…」
そう言って涙を流すお母さん。
「もういいよ。やり直そう?」
「…はい…。ごめんなさい…私、ちゃんと風間さんと別れる…」
"風間さんと別れる"。
その言葉を聞けて良かった。
