俺にしなよ。


キーンコーンカーンコーン。


「詩織!次体育館」

机から動こうとしない私に、純が笑ながら声をかける。

「あ…、体育か」

「なんか今日暗くね?」


はい、暗いです。
別れた…からかな。




「昨日、別れた」



「えっっっ!!!」

目をまんまるくして驚く純。



「…振られちゃった」



私は精一杯作り笑いをした。


「無理に笑わなくていいよ…」


優しく、包んでくれそうな声。


「…っ、う…ぅ…っ…」


ダメだよ、ここは学校なのに。
泣いちゃダメだよ…。



「…よく頑張ったな。今まで」



体育館に行くため、廊下にはみんなが整列していた。

私と純だけ、教室にいる。

そして私は純の胸を借りて、いっぱい泣いた。

思う存分、泣いた。