「……えっ…」


そこには、口から血を流した西崎が倒れていた。

そして、西崎の隣には、同じく口から血を流して倒れている拓斗。


「拓斗っ!?」

どうやら、2人が殴り合いのケンカをしたのだと言う。


「救急車!早く!」

伊野先生が職員室まで届くくらいの声で叫んだ。


「詩織!」

私を呼ぶ愛の声。


「2人がケンカしたのは詩織のことが原因なんだよ!いいから救急車に同行してあげて!」


私が、原因!?
待って? 何で私!?

「わ、わかった!」


私は最大限のスピードを出して廊下を走り抜けた。