俺にしなよ。


「じゃあ、ここで」

拓斗との分かれ道。

「おう。また明日」

そう言って手を振る拓斗。

私はそれに答えるように手を振り返した。


「気をつけてな」


最後に一言。

その一言が嬉しくてたまらない。
今の私には嬉しすぎた。



"気をつけてな"。


ごめんね、拓斗。
私は守れなかった。



「田辺」



その聞き飽きた声に、振り向いてしまったから。