俺にしなよ。


「じゃあ、行くね。帰るから」

そう言って帰ろうとした。

でも、動けなかった。


「待って」


そう言うにっしーは、私の手首をしっかりつかんでいて。


「行くなよ」



思いもしない言葉に、硬直した。

掴まれてる部分が、熱い。


「…放してよ」
「何で」


「いいから放して!」


勢いよくにっしーの手を払う。

そして、私は玄関に向かって走り出した。