俺にしなよ。


キーンコーンカーンコーン。


「詩織、今日一緒に帰れる?」

と、拓斗に誘われた。

「帰れるよ!帰ろ♪」


「よっしゃ。じゃあ俺、玄関で待ってるから!」

「うん〜」


これが、恋人なんだね。
にっしーと付き合ってるときは、こんなのなかった。

一緒に帰ったり、手繋いだり、デートしたり。

そんなこと一切しなかった。


だから、嬉しくてたまらない。

ウキウキ気分で玄関に向かおうとしたとき。



「田辺」



そう、名字で。

にっしーが、私を名字で呼んだ。