Ｂｅｌｉｅｖｅ

｢何の仕事してるの？｣とジュン。

｢外回りの営業｣と拓斗。

｢大変そうだな｣とタツヤ。

｢まあ仕事は何でも大変だぞ｣とマスター。

｢そうですよね｣とタツヤ。

｢何で拓斗はその子と付き合おうと思ったんだ？付き合う前とか会ったりしたのか？｣とカズ。

｢うん。２回会った。で、食事したり、ドライブ行ったりしたよ。連絡はマメにしたよ｣と照れる拓斗。

｢でも、なかなか会えないのに良くその子も付き合う気になったよな。家だって近くないんだろう？｣とタカ。

｢それは今も不安みたいなんだ。でも、優希は俺をアーティストの『俺』ではなく、素顔の『俺』を受け入れてくれたんだ。周りの恋人たちみたくは公の場に行ったりはそんなに出来ないけど、それでも良いって言ってくれたんだ｣

｢そうですか。ノロケかよ｣とタツヤ。

｢ち、違うって｣と顔が赤くなる拓斗。

｢ちゃんと幸せにしてやれよ｣とケン。

｢おう！｣

この日は俺と優希の話で盛り上がった。

家に帰る頃には辺りは明るくなり始めていた。