「そんな大した事じゃないっすよ」と拓斗。

「ほら、こう言う事はマスターにも報告しないと!」とタツヤ。

「何だ?」

「コイツさ、彼女が出来たんだよ!なっ、拓斗」とケン。

「おーそうなのか?それは良かったな!どんな子なんだ?芸能人か?」とマスターは笑っている。

「一般の人だよ」と照れながら言う拓斗。

「どこで知り合ったんだ?」とマスターは突っ込んで聞いてくる。

「まーいいじゃないっすか」とごまかす拓斗。

「隠す事じゃないだろー」とタツヤ。

「ライブで俺が一目惚れして、そしたら最近、偶然会ったの」と拓斗。

「へ〜偶然ね〜」とニヤけているマスター。

「本当に偶然ですって。道に迷ったから道を聞いたの。そしたら、ライブで俺が一目惚れした子だったって訳で…」と顔を赤くする拓斗。

「それは、凄い偶然だな!でも出会いなんていつ、何処にあるか分からないからな」と言い残しマスターはカウンターに戻って行った。

「マスターと言い、皆と言い何なんだ。リポーターじゃないんだから色々聞き過ぎだ!」と拓斗はビールを一気に飲みほす。

「でも、良く拓斗が付き合う気になったよな」とタツヤ。

「そうだよな。付き合うなんて珍しいからさ。昔からオマエは奥手だったしな」とタカ。

「そこまでオマエを惚れ込ませたんだから、どんな子なのか気になるし」カズ。

「その子はいくつなの?」とマスターがカウンターから聞いてくる。

「23です」

「おっ、若くていいなー」とマスター。