(封筒の中に何か入ってる?)

出してみるとSDカード。

(何だろう?)と思いながらパソコンのスイッチを入れた。

SDカードをセットして見るとメンバーが写っている写真が沢山あった。

その中に動画が1つ入っている。

クリックしてみると…

「優希ちゃん元気?」と笑顔で手を振っている稲葉さん。

たった15秒だけど、私には凄く貴重な15秒だった。

稲葉さん…ありがとう

CDをかけた。

あの時聴いた曲だ。

その日は何回も何回も聴いた。

思いがけない贈り物に嬉しくて仕方がない。

私は部屋のカレンダーに稲葉さんが帰ってくる日にチェックをした。

あの日稲葉さんと出会っていなければ、こんな日々を送る事が出来なかった。

出会わせてくれてありがとう…

今まで平凡だった日々が今では違っている。


次の日。

寝ていると電話が鳴っている。

私は寝惚けながら電話に出た。

「もしもし…」

「もしもし、まだ寝てたの?」

その声は親友の泉。

「寝てた…」

「今日、暇?」

「うん。暇だよー」

「じゃー夕食でもどう?」

「いいよー」

「じゃー7時に○○でいい?」

「うん。分かったーじゃー後でね」

と言って電話を切った。

泉の誘いはいつも突然だ。

何も予定の無い私には平気なんだけど…

時計を見るともうお昼を過ぎて2時になろうとしている。

シャワーでも浴びてこよう。