「あの、私もお金…」

「俺が誘ったんだからいいって」

「それじゃー悪いですよ」

「こういう時は素直におごって貰うのがスマートだよ」

「じゃー本当にすみません。ご馳走様です」

と私は軽く頭を下げた。

「そんなにかしこまらなくてもいいよ。普通にしてくれていいからね。優希ちゃん車に乗って」

「は、はい」と言い助手席に乗り込む。

「じゃー家まで送ってくね」と言い車を出す。

「いえ、待ち合わせしたコンビニまででいいですよ」

「そんな遠慮しなくてもいいって。それに、女の子を1人コンビニに置いて帰れる程酷い男じゃないよ」

と笑う稲葉さん。

「本当、すみません」

突然、稲葉さんが笑い出す。

(私、何か変な事言ったかな?)

「さっきから優希ちゃん、すみませんばっかり言ってる。すみませんは禁止ね」

「あ、すみま…」また言おうとしてしまった私は慌てて口を押さえた。

私の行動を見ていた稲葉さんは笑っている。

「優希ちゃんは素直だね」と稲葉さん。

しばらくして、待ち合わせしたコンビニが見えてきた。

「ここからどう行けばいいの?」

私は道を説明した。

「了解」と稲葉さん。