「私もどうしようかと思いましたよ。テレビの撮影かと思いました」

「ああ、そういう番組とか良くあるよね。自分でもあんな風に声掛けたのは初めてだよ」

「私はしょっちゅう道とか聞かれますよー」

「何か道とか詳しそうじゃん?営業車に乗ってる人って」

「意外とそうでもないんですよ。私なんて最初大変でした」

「そうなんだー見えない苦労がいっぱいありそうだね」

「芸能人の方に比べたら私なんて…あ、そう言えば稲葉さんは本名なんですか?」

「そうだよ」

「芸名じゃないんですね」

「うん。ところで優希ちゃんは何歳なの?」

「私は23です」

「俺と3つ違いか…」

「えっ?稲葉さん26歳なんですか?プロフィールに書いてないから知りませんでした」

「あっ、ついポロッと言っちゃったよ」と笑っている。

「何で年齢を隠しているんですか?」

「事務所の方針で年齢は非公開なんだよ。でも、意味無いよね」

「そうなんですか。意外と近いことにビックリです!」

「あはは、もっとオッサンかと思った?」

「いえ、そんな事思って無いですよ」

(私が初めてテレビで見た時はまだ20歳だったんだ)

「秘密を聞けた感じで嬉しいです」

「そうかな?」

「でも、音楽やったりドラマに出たり本当に忙しそうですね」