「おはよ!萌!」

「あ、おはよう。」

「あ、萌久しぶり~!寂しかったよぉ!」


そういって抱きついてくるのは、同じ学部の新巻慎吾。
私が入学式で戸惑ってたとき、声をかけてくれたの。


それからは一番の友達。


「よしよし。にしても久々だね。」

「うん、俺親の用事で北海道に行ってたからさ。」

「北海道?!」


私は目を見開いた。

まさかそんなに遠くに行っているとは・・・。


「おう。ま、気にすんな。俺という彼氏が戻ってきたんだし!」

「あ・・・。」


少し戸惑う私に、杏奈が不思議な顔をした。


「??萌?前までそんな困った顔してなかったじゃん。どしたの?」

「あ・・・私・・・他に好きな人が出来たの・・・。」

「誰だよ?!」


慎吾は声を荒げて私に聞いた。


「あ・・の・・・。それはまだ言えないけど・・・。その人に変な誤解されたくないから・・・。やめて?」


「は?俺はするぜ。だって萌のことずっと本気でスキだったんだぜ?」

「・・・え?」


私は耳を疑った。


「それは・・・。」

「やっぱりか~。」


杏奈?


「うすうすわかってたよ。慎吾は萌がスキだって。」

「どうしていってくれなかったの?!」

「私から言う言葉じゃないでしょ。」


杏奈はどこまでも大人だ。


「そっか・・・。」

「で、萌どうすんの?」

「・・・私、慎吾は友達としてしか見てないの。ごめんなさい。」


はっきりと目を見て告げた。