私はお風呂に入ってからリビングに入ると、3人が揃ってた。


「…萌、座って… ??」


葉月さんが柔らかい口調で言う。


「…??」

「…今から話す事は全てホントだから。」


そんなに改まって話す事って何だろう…。


「…俺らがいたのは施設じゃない。……少年院だ。」

「…え…??」

「…驚くよな。まだ小学生だった和葉は分からなかったと思うけどな。俺らは犯罪を犯していたんだ。」

「…どんな…」

「…俺は、母親を殺したんだ。葉月は人に暴行を加えた。そして…和葉は…、父親を殺したんだ。」


そんな…。

航さんはいつだって優しくて、たまに厳しくて。

お父さんみたいだった…。


葉月さんだって…、暴行って…。

優しく頭を撫でてくれたよ……??

あの手は嘘じゃないでしょ…??


和葉は…、きっと誰よりも私のお父さんを慕ってた。

なのに、自分のお父さんを殺してたなんて……。


「…萌。なんでお前が泣いてるんだよ。」


和葉は…、優しく涙を拭ってくれた。


「…だって、みんなはこんなにも優しくて暖かいのに…。」

「…仕方なかったんだよ。俺らの親や回りの人は、萌の回りの人や親みたいに恵まれてない。」

「…私の親だって全部恵まれてたわけじゃない…」


みんなは目を丸くした。


「私のお母さんは…、小さい頃。私を虐待してたの。毎日痛くて痛くて…。大嫌いだった。だけどお父さんが言ったの。」

「……」

「…人を嫌っちゃいけないよ。きっと自分にかえってくるからって。それから耐えた。それで…唯一の支えだったお父さんが死んで……」


みんなは静かに聞いてる。


「悲しくて悲しくて。無性に腹が立った。だけど、我慢した。私は優しくもないし、みんなみたいにはなれないけど…」

「そんなことはないよ。」

「…萌だって頑張ったんじゃないか。」


みんなが私を認めてくれる…。


お父さん。
私…上手くやっていけるかなぁ…??