「…ただいま…。」

「おかえり。」


葉月さんは普通だった。

航さんは出掛けたらしく、和葉は部屋だそうだ。


「…萌ちゃん。和葉の事まだ怒ってる…??」

「…当たり前です。私、あんな事まで言われる筋合いないですから…」

「…そっか。」


葉月さんは悲しそうな目をしたあと、すぐに笑顔に戻った。


「…じゃあお風呂入ってきますね。」

「あ、うん。」


私はスウェットを取るために部屋まで行った。

用意してると、ドア越しから声がした。


「…なぁ。」

「……」


その声が和葉だと気づくと、私は声をださなかった。


「…今日は悪かったよ。」

「……」

「…今日、俺考えたんだ。きついこと言ったなって。」

「…だから??」

「…ごめん。」

「…謝らないで。別にいいし。」


ホントは許してもないし、よくもない。


けど事を荒げたくない。


「…そうか。」


足音が遠ざかるのを確認して、部屋を出る。


リビングで葉月さんと航さんが話してる…。


「…やっぱり和葉と萌には話すべきだ。」

「…あぁ。」


??

なんの話…??