知らない男の子だった。


「…別に。」


私は涙を腕で拭った。


「…強がってんじゃねーよ。寂しいんだろ。」

「…違うよ。わからなくなっただけ。」

「そんな時は、考え無くていい。」


この人不思議な人だな……。


「あなたは誰かの…お墓参り…??」

「…あぁ。弟と母親だ。」


2人も…。


「…お前は??」

「…お父さんだよ。」


その言葉にわずかに反応した。


「…父親…か。」

「…そういえば、君亡くなったのは、お母さんと弟だよね??お父さんは??」

「…俺は、父親はいない。あんなやつ…」


相当怨んでるのかな……。


「…じゃあ俺行くわ。」

「…あの!!名前は…??」

「…内緒。」


少しだけ微笑んで去っていった…。


何だろう…??

なんだか懐かしい感じがした。


不思議な男の子…。