次の日、私はいつもより早起きをして二つのお弁当を作った。
「ふぅ~、何とかできた!いつもより、力が入ったかな・・・。」
何だか、緊張する・・・。
あっ、もうこんな時間!・・・よし、行きますか。


「何、そわそわしてんの?さっきから、鬱陶しいわね。」
「咲希~、そんな冷たいこと言わないでよっ!」
もうー、こっちは緊張して授業なんか耳に入ってこないのに・・・。
「咲希、今何時間目?」
「はぁ?・・・そんなことも分かってないの?」
「だって~。もう、そんな事考えてる暇ないよー!」
「まったく・・・今は、4時間目。あんずの運命の昼休みまであと、15分。」
「エーッ!!早くない早くない!?」
無理だよ~!どきどきしてるうちに、もうそんなに時間が経ってたなんて・・・!!
「咲希~、どうしよっ。もう、冷や汗が止まらないよ!!」
「何で、そんなに緊張するのか逆に聞きたいんだけど・・・。」
「そりゃ、先輩だよっ!しかも、初めて会った先輩!お弁当の味だって、美味しいか分かんないし。」
「それは、大丈夫だって。あんずの本当に美味しいもん。」
「咲希ッ!ありがとう~。ちょっと、落ち着いた。」
あ、照れた。ふふっ。可愛いー!

キーンコーンカーンコーン・・・
「うげっ!チャイム鳴ったよ!?どうしよ、咲希~」
「もう、そんなこと言ってないで早く行きなよ。」
「う・・・。吐きそう。」
「はいはい。行っといで~」
咲希のおバカ!ほんとにこんな時まで冷たくしなくてもいいじゃん。
「さ、咲希はどこで食べるの?」
「保健室。」
「へ、へ~寂しくない??」
「別に。早く行かないと逆にやばいんじゃない?」
時間を稼ごうと思ったのに・・・。
「逆にって、どういうこと?」
「さぁ?」
ひどい!!
「わかったよ。行きます!!」